都市計画法

不動産の物件調査について大切な法令上の制限

・都市計画法

新都市計画法では、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区域区分することとなり、一定規模以上の開発行為や、市街化調整区域における建築行為等を都道府県知事の許可に係らしめることにより、これらの行為を規制・誘導する開発許可制度が創設された。この制度は宮崎県では、宮崎広域、都城広域、日向延岡新産業の3都市計画区域の4市9町で昭和45年11月27日から適用されることになった。なお、昭和63年4月22日に、都城広域都市計画区域においては線引きが廃止され、線引きがされていない都市計画区域として引き続き開発許可制度が適用されることになった)

 

都市計画法では大きく5つの区域に分けられる。

区域区分が定められている都市計画区域

この中に、①市街化区域と②市街化調整区域がある。

宮崎市は市街化区域と市街化調整区域に分けられる。これは宮崎市役所の都市計画課で調べることが出来る。また名寄帳には市街化区域や市街化調整区域の区分も載っている。

③区域区分の定められていない都市計画区域いわゆる非線引き区域

④準都市計画区域

⑤都市計画区域、準都市計画区域以外の区域

 

宮崎県の場合

・線引き都市計画区域

宮崎市(田野町を除く)、延岡市、日向市、国富町、門川町

 

・非線引き都市計画区域

宮崎市田野町、都城市、日南市、小林市、串間市、西都市、えびの市三股町、高原町、綾町、高鍋町、新富町、川南町、都農町、高千穂町

 

都市計画区域外

・上記以外の区域

 

<開発行為とは>

主として、建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更のこと。※太陽光発電設備設置目的は、開発許可は不要です。

 

・建築物の建築とは?

建築物を新築、増築、改築又は移転すること

 

・建築物とは?

土地に付着する工作物のうち、屋根及び柱又は壁を有するもの、及びこれに付属する門又は塀のこと。その他、これに類する構造のものや観覧のための工作物も建築物とされ、具体的には屋根のない野球場の観覧席も建築物となる。なお、プラットフォームの上屋や貯蔵庫(ガスタンクやサイロ等)は建築物でない。

 

・区画形質の変更とは?

区画の変更 

道路、水路等の公共施設の新設、変更、廃止などを行うこと。

 

形質の変更

土地の形状及び性質の変更を行うこと。

 

形状の変更

盛土又は切土などにより土地の造成を行うこと。

 

性質の変更

山林、農地などを宅地以外の土地を宅地にすること。

 

用途の変更

「誰のために」、「何のために」、「どのように使用するか」のいずれかが変われば用途の変更にあたります。

 

1、建築物の使用の仕方が変わる場合

「何のために、どのように使用する建築物なのか」という点が変われば用途変更に当たります。

一戸建ての専用住宅を店舗併用住宅に模様替えして使用する。

車庫を資材倉庫にする

農業用倉庫を事務所にする

 

※ただし、同じ店舗でも業種が変わる場合は要チェック

総務省「日本産業分類」の「中分類」を超えるものは「用途の変更」に該当します。

 

2、建築物の所有者が変わる場合

「誰のために使用する建築物なのか」という点が変わることから、用途の変更にあたります。

ただし、配偶者、親、子、孫、相続人などに所有権が移転する場合や宅建業者が転売目的で所有権を取得する場合は、「用途の変更」には当たりません。

 

 

線引き前からの既存宅地(昭和45年11月27日より前からある宅地)の主な確認方法

 

1、土地の全部事項証明書による確認

土地の全部事項証明書によって、昭和45年11月27日より前に「宅地」登記されており、かつ現在まで「宅地」登記され続けている土地であることが確認できたものは、線引き前からの宅地に該当する。ただし、以下の点に注意する。

 

・登記の原因日付ではなく、登記の日付が昭和45年11月27日より前であること

(「登記の日付」欄が余白となっているものは、明治32年不動産登記法制定前の「旧土地台帳」の登記内容が継続している事を指します)

 

2、名寄帳での確認

名寄帳での確認には、線引き前からの建物が現存していること、又は線引き前からの建築物が存していたこと、当該土地が現在も宅地・雑種地として課税されていることが確認出来なければならない。

 

 

次の開発行為をしようとする者は、許可を受けなければならない。

 

・市街化区域で、1,000㎡以上の開発行為を行う場合 

・市街化調整区域で、開発行為を行う場合

開発の目的が都市計画法第34条の立地基準に該当する行為以外は認めらません。すでに宅地化された場所での、開発行為を伴わない建築行為についても都市計画法第43条の許可が必要です。

・非線引き都市計画区域で、3,000㎡以上の開発行為を行う場合

(※ただし、都城広域都市計画区域内は、1,000㎡以上で行う場合には許可が必要です)

 

都市計画法第34条における立地基準

市街化調整区域であっても、次のようなスプロール対策上許容できる開発行為については、例外的に許可できるものとして立地基準が定められています。

・市街化調整区域の住民のための日常生活に必要な店舗等

・市街化調整区域の鉱物資源、観光資源を有効活用するためのもの

・農林水産物の貯蔵・加工施設

・沿道サービス施設(ドライブイン・ガソリンスタンド等)

・5ヘクタール以上の大規模開発で開発審査会の識を経たもの

・市街化を促進するおそれがないとして、開発審査会の識を経たもの

(分家住宅、既存集落内の自己用住宅、収用対象事業の施工に伴う建築物、社寺仏閣、納骨堂、研究施設、レクリエーション施設等)

 

市街化区域の場合は、用途地域が定められている。(市街化調整区域では用途地域は原則定められていない)どの用途地域かは、宮崎市役所の都市計画課で調べることができる。

 

住居系の用途地域

・第1種低層住居専用地域

定義 低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域

イメージ 1階建てや2階建ての閑静な住宅街

 

・第2種低層住居専用地域

定義 主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域

イメージ 第2種ではコンビニなどの小さな店舗も可能

 

・第1種中高層住居専用地域

定義 中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域

イメージ 中高層のマンションが立ち並ぶところ

 

・第2種中高層住居専用地域

定義 主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域

イメージ 第2種では、大きめの店舗、事務所なども建てられる

 

・第1種住居地域

定義 住居の環境を保護するため定める地域