自ら売主制限。⑥

 ⑥瑕疵担保責任の特約制限

 

 〇民法の規定

   売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合、善意無過失の買主は、瑕

  疵を発見してから1年以内であれば、売主に対して、損害賠償請求を

  することができます。また、瑕疵によって契約した目的が達成できな

  い場合、解除をすることもできます。

   更に、民法では「売主は瑕疵担保責任を負わない」とする特約を付

  けるのも有効でした。

 

 〇宅建業法の規定

   自ら売主制限では、「民法の規定よりも一般消費者に不利な特約は

  禁止」されています。しかし、期間については、「引渡しから2年以

  上とする特約は、一般消費者に不利ですが、例外的に有効」にしてい

  ます。

   万が一、民法の規定よりも不利な特約を付けた場合、その特約は無

  効となり、民法の規定に戻ります。ちなみに、買主に有利な特約であ

  れば有効となります。

 

 例題)この特約は有効?無効?

   ①「瑕疵が売主の責めに帰すものでなければ責任を負わない」→無

     効

   ②「引渡しから1年間責任を負う」→無効

   ③「引渡しから3年間責任を負う」→有効